電子カルテなどの医療データを、遠隔地のサーバーで保管・管理する意義。 [四方山話]

ちょっと「おお」と思うニュースを見つけました。

 津波が来る:3.11後の現場から/5止 医療情報を遠隔地に /高知

震災後、被災地の仮設診療所では、今まで服用していた薬をたどたどしく説明する高齢者の姿が見られたと言います。
津波でカルテが失われ、電子カルテのデータが保存されていたサーバーも流され、どの人がどんな薬を服用していたかは本人の頭の中にしかないという状態で、頼りになるのは自分の記憶だけです。
しかし、自分の服用している薬の名前や効用や量などを全て詳しく説明できる人がどれだけいるでしょうか。
当然、お薬手帳なども流されているのです。

日常的に薬を服用しなくてはならない人にとっては、処方薬が命綱です。
震災で薬を処方してくれる場所が無くなってしまえば、具合が悪くてもじっとしていることしかできないし、そうしている内に確実に体調は悪化してしまうでしょう。

こういった場合、個人の服用薬などのデータが遠隔地のサーバーに保存されていたとしたらどうでしょうか。
現地で何台かの無線パソコンか携帯があれば、その人の服用薬が何でどれくらいかを知ることが出来ます。

今回の震災でも、カルテのほとんどが流出し、電子カルテのデータが保存されていたサーバーが流された中、比較的内陸にサーバーが設置されていたおかげで妊婦さんの情報が無事だったということがあったそうです。
その情報を元に、すぐに母子手帳を再発行し、震災前の妊婦さんの体重や体調などのデータを再記載することができたそう

医療データはその人の命にかかわる情報です。
情報の取扱いは本当に気をつけて行わなくてはなりませんが、しかし震災などの時にはある程度の医療関係者にはスムーズに情報を開示できるようなシステムづくりが出来れば、今後起こりうる大地震などの際にも比較的迅速に救命することが出来るのではないでしょうか。

データを全国で一元化し、複数箇所のサーバーで保管することが出来れば、万が一県をまたがった震災などの際にもスムーズに情報を引き出すことが出来るようになると思います。
県レベルで独自にやって、規格が違うせいでデータを引き出せないということがないように、全国レベルでやるか、データの企画を統一した上で運用出来れば一番良いですね。

考えたくはありませんが、近く、南海・東南海地震の発生が指摘されています。
恐らく来るそうした大地震の際に、事前の準備で一人でも多くの人を救うことが出来たなら。
東北の震災をただ悲しいだけの過去にしてしまうのではなく、学べる部分は学び、次の備えとすることが、生き延びた私たちの義務なのではないか、そんな風に考えたりもするのです。
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